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IE5モータとは?
モータの消費電力は、世界の消費電力のうちの40~50%を占めています。
工場全体の省エネを考えた時、電力消費の大きな設備から取り組んで いくのが効果的です。
●モータを使用する設備の消費電力割合

まずは、稼働時間も長く、モータの消費電力が大きい「ポンプ」「ファン」「コンプレッサー」の設備から省エネに取り組むのがおすすめです
IE5モータとは?
2015年からトップランナーモータの効率基準であるIE3(プレミアム効率)が導入されました。
IE3モータが標準となったことで、省エネモータがIE4(スーパープレミアム効率)となり、PMモータ(永久磁石モータ)が主流となりました。
IE3導入から10年が経過した今、IE5モータ(ウルトラプレミアム効率)の同期リラクタンスモータが脱炭素・省エネの手段として注目されています。

プレミアム効率
IE3
かご型誘導モータが多く、固定子の磁場が回転子に誘導電流を発生させ、回転する構成

製造コストが低く
容易に大量生産ができる

高トルクの場合、
サイズが大きくなる可能性
スーパープレミアム効率
IE4
PMモータ(永久磁石モータ)が多く、回転子に永久磁石をしようして磁場を生成し回転する構成

高密度の磁束生成で、
小型化が可能
低速でも高トルクを発生◎

レア アースを使用する為、
コストが高い
永久磁石使用の為、現地で分解整備が出来ない
通常メンテナンスが難しい(基本的にメーカーに依頼)
ウルトラプレミアム効率
IE5
同期リラクタンスモータが多く、永久磁石を使用せず、リラクタンストルクを使用して回転する構成

永久磁石不使用の為、現地での分解整備が可能

駆動にリラクタンス対応のインバータが必要
低出力機種では低速時の
トルク対策が必要な場合有
比較

現状の効率基準とされている「IE3モータ」と、
省エネモータとされる「IE4モータ」「IE5モータ」では、
実際使用する上で、どのような違いがあるのでしょうか。

「IE3」「IE4」「IE5」それぞれの特徴を把握したうえで、設置環境や使用頻度、コストに合わせた選択で、効果的な省エネに繋げる事が大切になってきています。

省エネの仕組み
IE5モータはIE3モータと比較してなぜ省エネが可能?
IE3のかご型誘導モータは、ロータバーとエアハンドリングに電流が流れ発熱します。
それに比べIE5の同期リラクタンスモータのロータには電流が流れず、熱損がほとんど発生しないため、省エネに繋がります。

負荷設備・運転条件によって異なりますが、IE3の直入れ運転時とIE5インバータ運転を比較すると、約40%の電力削減となるケースがあります。
また、IE3のインバータ運転と、IE5のインバータ運転を比較しても約7%の電力削減となるケースがあります。
(運転周波数によって電力削減量は異なります)
<IE3インバータ運転とIE5インバータ運転の効率値の比較>

ABB株式会社技術白書『IE5効率を実現するマグネットフリーモータ』より引用
IE3かご型誘導モータは、回転数(周波数)低減に伴い効率値が大きく低減しますが、IE5同期リラクタンスモータは低減率が少なくなります。
よって、回転数(周波数)の低減に伴い、IE3とIE5の電力差が大きくなります。
脱炭素・省エネの「これから」
モータの省エネの手段としては、下記3点がカギを握ります
・省エネモータの導入
エネルギー効率の高いモータは、ランニングコストの削減にも繋がります
・インバータ制御の導入
ポンプやファンなど負荷が変動する機器では、必要な時に必要な分モータを回転させることで、高い省エネ効果を発揮します
・適切なメンテナンス
軸受や冷却ファンなどの部品が劣化すると、エネルギー効率が低下します

STEP1
STEP2
STEP3
モータの省エネにSTEP1やSTEP2のご検討をされておられるケースが増えています。
今後は、IE5モータ+インバータ制御といった方法で、さらなる省エネに取り組む企業が増えそうです。
本ページの製品画像および一部の表はABB株式会社提供