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水素防爆対応モータ
-安全・経済・柔軟性をすべて備えた選択
水素は次世代のクリーンエネルギーとして注目される一方、極めて高い可燃性を持つため、設備には高度な防爆対策が求められます。
ただし、水素社会の実現のためには安全性とあわせて経済性が必要になります。
水素環境対応モータに求められること
水素防爆対応モータは、極めて高い可燃性をもつ水素ガス環境においても、安全かつ安定した運転を実現するための設計が必要です。
また、IECExおよびATEX認証を取得、Zone1およびZone2の危険場所への対応が必要です。
水素環境対応モータは、水素ステーション・化学プラント・再生可能エネルギー施設など、幅広い分野での導入が進んでいます。

水素対応モータの構造

水素対応のモータってどんな特殊な構造をしているの?
水素防爆仕様のモータは、IECExおよびATEX認証を得た
一般的な防爆機種をベースとしたモータです
水素防爆のモータは、耐圧防爆モータの端子箱などのパッキン類を水素対応のものに変更したモータです。このため本体そのものは、耐圧防爆のモータと同じです。
つまり、特殊な構造ではなく、汎用的な構造のため、製造コストや納期においても従来品と大きな差はなく、効率的な導入が可能です。
また、既存設備への適合性も高く、設計変更の最小化が図れます。
安全性を確保しながらも、汎用性と経済性を両立した仕様となっています。
水素防爆に
対応変更

ABBの水素防爆対応とは?
●水素防爆対応モータの特長
国際規格準拠
IEC 60079シリーズに基づく設計・製造
ATEX(II 2G Ex db IIC T4/T5/T6 Gb)およびIECExおよびIECEx認証取得済み
Exdb(耐圧防爆)構造
爆発性ガスグループIIC(水素含む)に対応
モータ内部で発生した爆発を外部に漏らさず、安全性を確保
温度クラス対応
T4~T6まで対応可能
用途に応じた選定ができる

冷却方式選択可能
IC411(自己冷却)、IC511(外部ファン冷却)など選択◎

保護等級
IP55~IP66まで対応可能(※オプション)

絶縁クラス
FまたはHクラス(温度上昇Bクラス)を標準採用

ベアリング構成
グリース潤滑式、再潤滑可能タイプ

カスタマイズ対応
お客様の用途に応じた仕様変更や特注設計にも柔軟に対応
水素ステーション・化学プラント・再生可能エネルギー施設等の導入実績あり◎
●対応製品例
●用途例
水素ステーション(圧縮機駆動、送風機)
再生可能エネルギー関連設備
化学・石油化学プラント
電解装置・燃料電池関連機器
●国内使用の場合の注意点
ABBの水素防 爆モータは、グローバルではIEC(国際電気標準規格)のIECExシステム(IEC防爆機器規格適合試験制度)において認定済みです。
しかし、日本国内で防爆モータを使用する場合、労働安全衛生法に基づき、TIIS(一般社団法人産業安全技術協会)による防爆検定の合格品であることが義務付けられています。

よって海外認証(ATEX、IECEx)を取得している製品であっても、TIIS認証がなければ国内の危険場所では使用できません。
【TIIS認証取得の流れと要件】
①申請者の要件

TIISへの申請は、原則として日本国内に拠点をもつ法人が行う必要があります。
海外メーカー(ABB)の場合は、国内法人が申請窓口となります。
②製品仕様の一致

TIISの検定では、提出された図面・仕様書・試験成績書が実際の製品と完全に一致している必要があります。
ATEXやIECExの仕様と異なる場合、再設計や追加試験が必要になることがあります。
③試験項目の追加

TIISでは、独自の試験項目(ex:耐圧試験、温度上昇試験、絶縁耐力試験など)を要求されることがあり、海外認証取得済みでも再試験が必要になるケースがあります。
④試験機の提供

認証取得にも、実機をTIISに提出して試験を受ける必要があります。
試験用モータは、量産品と同一仕様であることが求められます。
⑤取得までの期間

認証取得には、
一定期間を要します。
⑥費用負担

認証取得には、試験費用・申請手数料・技術支援費用などが発生します。
TIIS認証取得に際して仕様確認や申請支援などの技術サポートも提供可能です。
詳細につきましてはお問い合わせください。
