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水素防爆モータについて
水素社会の実現に向けて、世界各国で様々な取り組みが行われています。
日本政府は、2017年に世界に先駆け「水素基本戦略」を策定し、水素社会実現にむけた取り組みを進めています。

水素社会の実現には…
利用
貯蓄
輸送
製造
水素社会の実現には、水素の製造、貯蓄、輸送、利用などに関する技術開発やインフ ラの整備が欠かせません。
そして今後注目されるのが「水素防爆」です。
水素の特徴
・毒性なし
・揮発性が低い
燃焼時に水しか排出せず、環境リスクが低いことから
”未来の代替エネルギー”として注目されている
しかし、水素は密度が小さく外部へ漏洩しやすかったり、爆発・火災が発生しやすいことが懸念されています。
水素の製造、貯蔵~輸送に関わる全般において防爆対応の検討が必要とされています。
安全増防爆・耐圧防爆の特徴と水素ガスの位置づけ
安全増防爆
火花や異常温度が発生しにくい構造で安全性を高め、爆発事故のリスクを低減◎
電気機器の容器自体の強さについての規定はない
耐圧防爆
電気機器内部で爆発が発生した場合も、容器自体がその爆発に耐える事ができるような設計で二次被害を防ぐ
外部が爆発性雰囲気の場合でも使用できる規格
◎水素ガスの位置づけ
また、爆発等級とガスの発 火温度で”水素ガス”の位置づけを見てみると、
安全増防爆(ExeⅡT3):水素ガスは温度等級T1の為、規格の範囲内
耐圧防爆(d2G4):水素ガスは爆発等級が3の為、規格の範囲外
しかし、安全増防爆規格は、第0種・第1種危険場所といった爆発性ガスがある環境では使用できないといった制限があります。
よって、水素ガスの環境下では、耐圧防爆かつ爆発等級3をカバーした規格が必要になってきます。

水素防爆の基準
水素防爆対応を行うためには、現状の耐圧防爆(d2G4)を基準とし、水素ガスの爆発等級3をカバーした、国内の防爆規格"d3aG4"相当の対応が必要となります。
防爆構造の種類
d:耐圧防爆規格
o:油入防爆規格
f:内圧防爆構造
e:安全防爆構造
1a・1b:本質安全防爆構造
s:特殊防爆構造
爆発等級の 分類
3a:水素や水性ガス
3b:二硫化炭素
3c:アセチレン
3d:爆発等級3のすべてのガス
防爆性ガスの発火温度
G1:450℃を超えるもの
G2:300℃を超え450℃以下
G3:200℃を超え300℃以下
G4:135℃を超え200℃以下
G5:100℃を超え150℃以下
d3aG4相当の対応により、”水素ガス環境下”においても
モータの使用が可能となります
ABB水素防爆モータ 国内使用の場合の注意点

ABBの水素防爆モータは、グローバルではIEC(国際電気標準規格)のIECExシステム(IEC防爆機器規格適合試験制度)において認定済みとなります。
しかし、国内で防爆製品を使用する際にはTIIS(公益社団法人産業安全技術協会)の認証が必要となります。
TIIS認証は認定未取得のため別途認定取得※が必要となります。
※モータ製品価格とは別に「認証取得費用」と「認定取得期間」が必要
詳細につきましてはお問い合わせ下さい。