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ご存知ですか？
タイのモータ規制が
2026年4月に変わります！
2025年12月25日更新
タイでは、産業用電動機のエネルギー効率向上を通じた国家エネルギー政策の推進および国際競争力の強化を目的として、三相誘導電動機に対する効率規制が導入されます。
本規制は、国際電気標準会議（IEC）が定める効率分類規格IEC 60034-30-1:2014に準拠した国家規格「TIS 866 Part 30(101)-2561」として制定されており、2026年4月18日より法的に施行されます。
本制度は、タイ工業規格局（TISI:Thai Industrial Standards Institute）による認証取得を義務付けるものであり、対象となる電動機の製造・輸入・販売に際しては当該規格への適合および認証登録が必須となります。
これにより、国内市場に流通する電動機の最低エネルギー性能基準（MEPS）が統一され、国際的な技術整合性を確保しつつ、エネルギー消費の最適化と温室効果ガス排出の抑制が図られます。
規則の遍歴
『TIS 867-2550』（廃止予定の旧規格）
制定年：2007年
規格名：三相誘導モータの最低効率基準(Minimum Efficiency)
対象範囲：出力 0.75kW~185kW
電圧 最大1000V
極数 2・4・6・8極
効率基準：独自のタイ国内基準（IECとの整合性は限定的）
認証制度：TISI認証は必要だが、国際輸出には不向き
課題点：国際規格との乖離
IEコード(IE1、IE2、IE3など)の明示なし
試験方法の統一性に欠ける
『TIS 866 Volume 30(101)-2561』（新規格）
制定年：2018年
規格名：三相誘導モータの効率クラス(IEコード)に関する規格
対象範囲：出力 0.12kW~375kW
電圧 50V~1000V
極数 2・4・6・8極
効率基準：IEC 60034-30-1:2014に準拠（IE2以上が義務）
認証制度：TISI認証取得が必須
課題点：国際整合性が高く、EUや米国などへの輸出に対応
試験方法はIEC 60034-2-1に準拠
IEコードによる明確な効率分類
『TIS 866 Part30(101)-2561』（2026年4月施行版）
施行日：2026年4月18日
内容：Volume 30(101)-2561の改訂版として、正式に法的効力を持つ施行規格
変更点(予定)：IE3(プレミアム効率)への段階的移行を促進
対象モータの範囲拡大(特殊用途や高温環境対応など)
表示義務の強化(銘板に効率値、IEコード、試験条件など明記)
試験条件の明確化(標高・温度補正など)
規制の主な比較
これにより、TIS 866 Part30(101)-2561が新たな法的基準として施行されます。
IE2以上の効率を満たすモータの導入と、TISI認証取得が必須となります。
TIS 866 Part30(101)-2561（2026年4月施行版）対象製品
◎対象モータ（予定）
モータ種別：三相かご形誘導モータ（Squirrel Cage Induction Motor）
出力範囲：0.12～15kW
極数：2、4、6、8極
定格電圧：1000V以下
周波数：50Hz
効率クラス：IE2（高効率）以上が義務付けられており、IE3（プレミアム効率）への移行が推奨
認証要件：TISI認証取得が必須
◎対象外モータ（予定）
インテグレーテッドモータ（integrated motors）
水中モータ（密閉型）
多速モータ（巻線切替式）
短時間定格（S2）専用モータ
インバータ一体型モータ（単体で動作不可）
再輸出用モータ（タイ国外向け機器に組み込まれるもの）
トルクモータ（高スリップ設計）
表示義務と認証制度
TIS-866では、モータの製造者または輸入者に対して、以下の表示および認証取得が求められます
銘板表示：効率値（%）、効率クラス（IE2、IE3など）、定格出力、電圧、周波数などを明記
認証取得：TISIによる認 証を受けた製品のみが販売可能
試験方法：IEC 60034-2-1に準拠した試験結果が必要
