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「組み込みモータで超高効率化?!」
国内では長らく使用され続けてきた可変速モータ(例えば日立産機システム製PCモータ・VXシリーズや、富士電機製PSモータ、安川電機製VSモータなど)が近年相次いで生産中止となってきています。
これらモータの代替えとしては、AC (交流電源)化による三相誘導モータとインバータとの組み合わせで解消できることは、既に知られています。
この場合、通常はインバータを別の場所に設置するか、モータを設置していた箇所に一緒に組み込むしかありません。
ただ、機械への組み込みの場合、インバータの設置場所が無かったり、別場所のインバータへの配線が難しかったりと、対応が難しいことも多いようです。
これらの理由で、国内のモータのインバータ化が進んでいない状況もあるようです。
またこれらの可変速モータは古いこともあり、現在主流となっているトップランナー規格(IE3)の三相誘導モータに比べてもかなり電力効率が悪く、近年高騰を続ける電気料金が大きな負担となってしまいます。
A社様でも機械の組み込みモータのため、故障に伴ったモータの代替にお悩みをお持ちでしたが、ある方法でこの2つの悩みが一気に解消しました。
A社様でも、機械組み込みの可変速モータが故障してしまい、従来のDCモータ+インバータの設置が難しい状況でした。
そこでABB社製IE5インバータ一体型モータで、この狭い空間にインバータ化モータを組み込むことで、既設の機械を継続使用することに成功しました。
その結果…
既設IE2/3 ポンプモータ
[定格7.5Hp/1800 RPM ]
- 平均消費電力/日:57.69 kWh
(検証7日間)
- 月間電気使用料金:26,500円
(@15円/ kwh)
- トン/ 年間CO2:10 トン
EC Titanium へ更新
[定格7.5Hp/1800 RPM ]
- 平均消費電力/日:45.1 kWh
(検証7日間)
- 月間電気使用料金:20,600円
(@15円/ kwh)
-トン/ 年間CO2:7.8 トン
年間削減費用: 69,000円
投資回収年月: 1.5 年(IE3モータとの差額に対して)
年間CO2 削減量: 21.8% or 2.2 トン
このように「モータを変えるだけ」で、既設機械そのものを更新をすること無く、電気代も抑えられ、さらにカーボンニュートラルにも貢献することに成功しました。
またこういったモータを製品に組み込むことで製品自体の設計を大きく変えること無く、超高効率な全く新しい製品ができる可能性もあります。
米国 グリーンヘック社では、厳しい環境にさらされる設備用換気扇の駆動用モータに、超高効率モータを組み込んで製品化をされています。
長時間使用し続ける換気扇にとって、省電力化は大きなアドバンテージとして製品化されました。
他にも
•小型モータの場合、インバータ設置による制御盤作成だけで、モータの価格を軽く超えてしまう
•そもそもインバータを設置する(制御盤の)スペースが無い
•可変速モータ自体が効率が悪いので、もっと効率を良くしたい
といったお悩みにも対応できそうです。
今回ご紹介した、ABB製のインバータ一体型モータ、“EC Titanium”とはどういうモータなのかを簡単に説明します
小型の同期リラクタンスモータ※(永久磁石搭載)
ABB EC Titanium インバータ一体型モータ
(0.75~7.5KW)
※同期リラクタンスモータの詳細については、別ページで解説しています
EC Titanium™ シリーズは同期リラクタンス技術と永久磁石技術を組み合わせた特殊なロータ構造を持った、高効率のインバータ一体型モータで、経済的で環境に優しく、ワイヤレス通信によるIoT対応のモータソリューションです。
<製品特徴>
・IE5の高効率を実現し、全負荷でも部分負荷でも高い効率を維持
・インバータ一体型のため、インバータ盤の設置不要(省スペース)
・モータ、インバータ間の配線が不要
・IP54で悪環境でもインバータ化を実現
・スマートフォンなどで設定の変更や状態監視が可能
・コピースティックによる簡易複製
EC Titanium™ シリーズはIE5の効率を実現しているため、IE3モータに比べて全負荷時においては2~3%の効率化となりますが、部分負荷時(低回転)では6~7%程度の効率化になります。
特に可変速での使用状況においては、その効果は大きく出なります。
インバータ一体型のため、インバータ盤の設置や、インバータ用の配線が不要です
制御盤の中にインバータを設置する空間の余裕があれば問題無いですが、その余裕が無い場合、すぐ横などに追加で制御盤を設置する必要があり、そのための費用が別途かかってしまいます。
また配線も変えなければいけないので、さらに費用が必要となり、インバータ化がなかなか進まない要因の一つとなっています
従来インバータ盤が設置できない悪環境下
・狭い
・水気、粉塵環境
にも対応できる
設定や状態の確認は、スマホやタブレットなどで専用アプリから操作が可能
(Bluetooth連携のため、機器からの距離1~2m程度以内)
ただし注意点としては…
EC Titaniumは磁石内蔵モータの為、通常の三相誘導モータや、磁石レスの同期リラクタンスモータのように現場での分解整備はできません。
(磁石があるため、分解すると磁力で貼り付いてしまうため)
EC Titaniumに関するさらに詳しい情報は、下記サムネイル画像から
概略フライヤーをダウンロードしてご覧ください。
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