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「攻めのモータ保全とは?!」
工場や設備において、モータは絶対に止まってはならない機械です。そのために様々な保全、メンテナンスを行いますが、それが難しい場合もあります。
モータの保全の現状とこれから
従来は設備機器担当者が日々点検を行い 、人の目や耳、肌で音や振動、熱、匂い、電圧や出力などを直接確認してきました。
ただ現状では、そういった設備担当者が定年退職されたり、後任が見つからない、育成に時間がかかる、といった人手不足が深刻化してきています
モータの寿命は一般的には15~20年と言われていますが、使用状況によってはかなり差があり、それらを少ない人員で全てカバーするというのが現実的に難しくなってきています。
そんな中、最近ではセンサーで状態監視を行いながら、必要な時にメンテナンスを行う、という考え方が徐々に広まってきています。
また今後はこういった保全方法が拡大してくると思われます。
さらに一歩進んで、製品自体に最初からセンサーを組み込むことで「日常点検フリー」を謳った、付加価値のある製品が増えてくることも考えられます。
実際に空調設備や空気圧縮機などでは、すでにこういったシステムが導入されています。
「保守・保全」というと「コスト」と捉えられがちですが、機械自身が点検を行い、故障を未然に防ぐという「攻めの保全」が、今後はより必要とされてくるのかもしれません。
ユーザー側としてこういった機能を使うメリットとしては
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日常点検の簡略化
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故障時のダウンタイムの削減
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運転状態が常に見えるので、適正運用による電気代などのコスト削減
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メーカーに見てもらえているという安心感
などが考えられます。
加えて、これら機能は機械メーカー側にとっても大きなメリットとなります。
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機器の異常を事前に察知できるので、突発的な修理依頼を減らせる
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販売した機器の管理が楽になる
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状態を確認出来るので、リプレイスの案内などへの活用
といった点で、双方にとってのメリットがあります。
ちなみにABBでは、「スマートセンサ」というセンサーがあります。
これはモータに限らず、回転機器にも使用できるセンサーです。
低圧モータやポンプの状態を分析し、最適な メンテナンスを提案する先進的なIoTソリューションの要となるセンサ
https://new.abb.com/motors-generators/ja/service/advanced-services/smart-sensor
元々は自社設備のモータや回転機器に付けて、保全を行うことを前提にしていましたが、やや用途が変化してきて、機械への組み込みの検討が増えてきています。
簡単に特徴を挙げておくと
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機器との接続が簡単(ワイヤレス)
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データはクラウドで管理
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付けたその場から監視・診断が可能
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他社のモータでもOK
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PC、スマホでも確認できる
といった点が挙げられます。
実際にUL防爆と日本の旧JIS防爆の違いを表にしてみました。
細かい区分は別途ご確認頂きたいのですが、ここでは旧JIS防爆の、例えば「d2G4」といったものがどれにあたるのか、といった目安としてご覧ください。
UL規格とIEC規格は似ている部分も多いのですが、表記や区分が違います。
特にUL規格の方が分類がやや細かいので、IEC規格で見た時にどこに値するか注意が必要です
普段なじみのない、NEMA、UL規格ですが、適当に選んでしまうと、後で大変なことになります。
北米向けに限らないですが、海外のモータの選定の際は、
①現地で本当に必要な防爆の内容をしっかり確認
②ノウハウのあるメーカーに相談
することが大切です。