事業紹介>ABBドライブ事業>ABBドライブ記事一覧 >インドのモータ規制について
そんなインドにおけるモータの規制は2018年1月からインドの標準規格・BIS(Bureau of Indian Standards)が施行されており、強制認証が適用される品目がさらに拡大しているようです。
では、インドのBISとはどんなものでしょうか?
一般社団法人日本電機工業会 電動機業務専門委員会の資料によれば

つまり
•IE2以上
•BIS認証が必要(ISIマーク)
•規制対象:0.12~1000Kw
•1000V以下
•50Hzのみ
•IP44以上が必要
ということのようです。



BISライセンス番号のついた特定のISIマークは、モータ銘板に表示されています。

インドのMEPS要件の対象かつ、
ISIマークが必須の条件
・インド国外に再輸出される装置
・駆動機に取り付けるためにインドに輸入されるモータ
※MEPSは低圧モータの最小エネルギー性能基準
規制の除外リスト

・機械に組み込まれて一体化され分離出来ないモータ(モータ単体での試験不可)
・インバータと一体化されて分離できないモータ(モータ単体での試験不可)
※「モータ単体で試験ができるモータ」は認証の取得および表示の義務が発生します。
つまり、機械装置に組込まれたモータを取外して個別に(モータ単体で)試験ができるモータは規制の対象になります。
※当認証には罰則があるため、認証の取得および表示ができていな場合には処罰の対象となります。
POINT
※モータ単体での輸入が難しい?

2022年に公開された、日本機械輸出組合のHPの資料
「2022 年版 インドにおける問題点と要望」によると・・・

出展:日本機械輸出組合HPより抜粋

という状況です。
『納入した製品の補修・スペアでモータの提供が必要であるが単体輸出できないため、ユニットでの販売をせざるを得ない状況』との内容となります。
但し、ユニット(機械装置)に組込まれたモータを取外して個別に(モータ単体で)試験ができる場合には規制の対象となります。
つまり、『機械装置』の輸出の場合も『モータ単体』での輸出の場合においても、規制を順守する必要があります。
POINT
これからさらに基準が厳しくなっていく見込みです
インド基準局法の省令によりますと適用される項目は
『機械及び電気機器並びにそれらの組立品,部分 組立品及び構成部品に適用する』とあります。
つまり、機械装置に組み込まれるモータも規制適用の対象となります。
また、対象となる機械および電気機器リストとして、『ポンプ、コンプレッサー遠心分離、ろ過機、精製機など』
多岐に渡る機械が対象となっております。
■インド基準局法
THE GAZETTE OF INDIA : EXTRAORDINARY
MINISTRY OF HEAVY INDUSTRIES [New Delhi, the 28th August, 2024 ]
■省令 文面抜粋
[原文]
1.Short title, commencement and application.
(3) This Order shall apply to machines and electrical equipment and their assemblies,
sub-assemblies and components listed in the first Schedule annexed to this Order.
[和訳]
(3) この省令は,この省令に附属する別表第 1 に掲げる機械及び電気機器並びにそれらの組立品,部分 組立品
及び構成部品に適用する

●和訳

ここでは、ABBでのBIS対応範囲をご紹介します。



つまり、ABBの場合は、フィンランド工場で認定を受けているのでインドBIS対応のオプションを装着することで、装置組込状態でも、モータ単体でも輸出は可能です。
※ただし、機種、サイズに制限があります
ちなみに防爆モータは…
防爆環境で使用するモータは別途PESO(CCoE)証明書が必要です!
※CCoE:爆発物取扱主任者
※PESO:石油爆発物安全機構
昨年、人口が中国を抜いて世界一となったインドですが、さらなる産業の発展とともに様々な問題に対応するために、今後も規制が変更になる可能性があります。
最新の情報をもって、輸出には備えた方が良さそうです。